尿に血が混じる(血尿) 尿の回数が多い(頻尿) 尿もれ 尿が出にくい・勢いが弱い・残尿感 PSA(前立腺特異抗原)値が高い 陰嚢、睾丸に痛み、腫れてきた 背中~わき腹のあたりに痛みがある 尿道から膿が出る 会陰部や尿道に違和感がある 検診などでクレアチニン(Cr)高値や蛋白尿、eGFR値低下を指摘された 尿量が少ない むくみ(浮腫) のどの渇き、多尿、多食、体重減少 動悸、発汗、体重減少 むくみ(浮腫)、だるさ
膀胱炎、膀胱癌、腎細胞癌、腎盂癌、尿管癌、腎結石、尿管結石、慢性糸球体腎炎、急性腎炎等
過活動膀胱、膀胱炎、前立腺肥大症、前立腺炎等
過活動膀胱、腹圧性尿失禁、神経因性膀胱等
前立腺肥大症、神経因性膀胱、前立腺炎、膀胱炎等
前立腺特異抗原(PSA)は、前立腺でつくられる特異的なタンパク質の一種です。PSAは健常者でも血液中に少し存在しますが、前立腺癌になると前立腺から血液中にたくさん流れ出てくるため、血液中の数値が高くなります。この性質を利用した非常に優れた方法がPSA検査で、血液を少し採取してPSAの値を調べる簡単な検査法です。
一般的には4.0ng/mlの基準値以上になると「PSAが高い」と言われます。
PSAが高い場合、最も重要な疾患は前立腺がんですが、前立腺肥大症や前立腺炎などの良性疾患や、射精、自転車や長時間の車の運転のような前立腺への刺激でも上昇することがあります。
PSAが高い値であれば、泌尿器科専門施設で問診や尿検査、超音波検査などの検査を受けていただき、精密検査が必要かどうかの判断や、前立腺肥大症や炎症の場合は、それに適した治療を受けることをお勧めします。
前立腺癌、前立腺肥大症、前立腺炎等
陰嚢は男性にしかない臓器ですが、陰嚢内には精巣、精巣上体、精管が収まっています。その陰嚢に痛みがある場合、まずは陰嚢内容物に感染性疾患を考えます。代表的なものに、精巣上体炎(多くは、尿道炎や急性前立腺などが先行します)、流行性耳下腺炎などに関連する精巣炎があり、感染性疾患の場合にはほとんどの場合の痛みとともに陰嚢腫大を認めます。鑑別を要する疾患に精巣悪性腫瘍があります。痛みに関しては、伴わないケースも多くありますが、陰嚢の腫大や精巣の硬結はほぼ全例で認めます。
その他に、小児期で比較的多い疾患に、精策捻転症があります。この疾患は、精策(精巣に繋がっている血管群)が捻じれて精巣への血流が途絶することで発症します。この疾患の特徴は、精策捻転を起こしている患側は陰嚢の痛みと腫大とともに精巣が頭側に挙上しています。また、陰嚢の痛みに先行し腹痛があり、夜間に発症することが多いとされます。
その他、痛みを伴わない陰嚢腫大をきたす高齢者に多い疾患では陰嚢水腫やそけいヘルニアがあります。
これらの疾患については、診断をするためには尿検査、採血検査、陰嚢のエコー検査などを行います。診断がついた後、治療方針を決めますが、精策捻転症の場合には緊急手術が必要となります。また、感染性疾患の場合抗生剤投与が必要となります。精巣悪性腫瘍の場合には、臨床病期診断と精巣摘出術を行い、その後必要に応じて化学療法や放射線治療を追加します。陰嚢水腫の場合であれば、穿刺を行って、内容液を排出させるか根治手術を行います。
陰嚢に異常を感じる場合には、早めに泌尿器科専門医を受診されることをお勧めいたします。
陰嚢水腫、精巣上体炎、精巣捻転、精巣腫瘍、精巣炎等
代表的な泌尿器疾患は尿路結石で、尿の通り道である尿管に結石が詰まって尿が流れなくなるため腎臓や尿管が腫れて背中やわき腹に痛みが出ます。軽度の鈍痛から、痛くてじっとできないような激痛となることもあります。また、尿管がんなどで尿の流れが悪くなり痛みが出ることもあります。これらの疾患では、痛みのほかには尿に血が混じるといった症状もあります。その他、尿に入った細菌が腎臓の方まで到達し感染を起こすと腎盂腎炎となり痛みが出ることがありますが、腎盂腎炎の場合は通常は発熱を伴います。尿路結石を放置すると腎機能の悪化や結石が原因の腎盂腎炎を引き起こすことがあります。また、尿管がんは放置すると生命にかかわってきます。該当する症状のある方は、専門医での検査をおすすめします。
尿管結石、腎結石、尿管癌、腎盂腎炎等
尿道炎、性感染症等
前立腺炎、前立腺肥大症、尿道炎等
クレアチニン(Cr)、eGFRは腎臓の働きを示す重要な指標です。クレアチニンは筋肉運動により産生される老廃物で、腎機能低下で血中濃度が上昇します。このクレアチニン値などを用いて推算されるeGFR(推算糸球体濾過量)が腎機能の目安となり、eGFRの値が60未満もしくは尿蛋白陽性が続くことをもって慢性腎臓病(CKD)と診断されます。eGFR値が高い(良い)方からCKDの1~5期に分類され、5期(eGFR15未満)はいわゆる末期腎不全の状態で透析療法を考える、または必要な段階です。eGFRは正常値がおおよそ100 mL/分/1.73㎡であることから、その値は腎臓の働きが「正常に比べておよそ何%か」を表しています。ただし、加齢で低下する値でもあり過度な心配は不要な場合も多いですし、体調や検査時の状況(脱水や過労など)によって変動し一時的に悪く算出される場合もあります。また、蛋白尿の有無はCKDの予後や合併症にも関係することが明らかであり、eGFRが高い数値でも尿蛋白が陽性の場合は継続して経過を見ることが重要ですCKDの進行を予防するためには、健康診断等で早期に発見し、早期に治療を開始することが重要です。CKDの原因には慢性腎炎などのほかにも生活習慣病が大きく関与しており、高血圧や糖尿病の治療、コントロールが腎臓の予後や合併症の予防にも重要です。
健康診断で蛋白尿やクレアチニン値高値、eGFRの低下を指摘された場合には、現在の腎機能を確認するために必ず病院を受診するようにしてください。
慢性腎臓病(CKD)、腎不全等
尿量が少ない原因は腎臓の機能低下、尿管や膀胱の尿路閉塞、脱水や薬の副作用など様々あります。疾患によっては発熱、痛み、むくみ、倦怠感、食欲低下、吐き気、息切れなど症状を伴います。診断には尿検査、血液検査、画像検査が必要になりますので早めに病院を受診してください。
急性腎不全、慢性腎臓病、水腎症、膀胱炎、尿路結石、前立腺肥大症、尿路腫瘍、尿路狭窄、神経因性膀胱、糖尿病、薬剤性、脱水など
塩分や水分の過剰摂取、長時間のデスクワークなど、いろいろな原因で体がむくむことがあります。次の日むくみが引けば心配ありませんが、合わせて症状があれば病気が潜んでいることがあります。例えば、横になると息苦しさを感じる(心不全、腎不全)、尿が泡立つ・熱が出た後尿が赤い(腎炎)、関節の痛みがある(リウマチなどの膠原=こうげん=病)、その他にも原因となる病気は、下肢静脈瘤(りゅう)、子宮筋腫、栄養失調、肝硬変、ネフローゼ症候群、甲状腺疾患、薬剤性などさまざまです。むくみに加えて体調の変化があれば病院を受診しましょう。また、新しい薬を飲み始めたタイミングでのむくみや、肝疾患、腎疾患を指摘されたことがある場合のむくみは、他に症状がなくてもかかりつけ医に相談してください。
腎不全、急性糸球体腎炎、ネフロ-ゼ症候群等
糖尿病では血液中のブドウ糖の濃度が高くなります。これを薄めるために多くの水を飲むようになり(多飲)その結果尿量も増えます(多尿)。また尿中に大量の糖があるとそれだけで尿量が増えるので脱水傾向になり口が渇きやすくなります(口渇)。エネルギー源であるブドウ糖が大量に尿中に失われると、身体はエネルギー不足となりいくら食べても体重が減るようになります(多食・体重減少)。
糖尿病
甲状腺ホルモンは身体の基礎代謝を司るホルモンです。 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)により、ホルモン分泌過剰になると安静時にも運動をしているような状態になり動悸や発汗、体重減少といった症状が出現します。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
甲状腺ホルモンは身体の基礎代謝を司るホルモンです。
甲状腺機能低下症により、ホルモン分泌が低下し、むくみや身体のだるさなどが生じます。
甲状腺機能低下症